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三人のユダヤ人

 二十世紀というのは、三人のユダヤ人によって決定された。それは、カール・マルクスとジーグムント・フロイトとアインシュタインの三人である。そしてこれは、私の思うところ、キリスト教の最後のあがきである。
 話を簡単にしてしまうと、マルクスは”旧約”である。だから、王国を作りたがってウロウロするのである。
 フロイトは”新約”である。十九世紀のマルクスが旧約で下部構造なら、二十世紀のフロイトは、その人間の内部であり、それ故に、精神分析は”旧約”を超えて”新約”の世界宗教となったのである。
 ホラ見ろ、宗教じゃねェか、というのは勿論、ここまでは単なる例えである。というのは勿論、宗教というのは神がかりで”奇蹟”を伴うからである。奇蹟のない宗教は宗教ではない。ただの哲学である。
 という訳で、ここにアインシュタインが出て来る。
 物理という学問は、なんだかよく分からないことに関する、明解なるメカニズムの研究である筈である。この”筈である”は”私の直観”である。
 という訳で、マルクスとフロイトにアインシュタインが加われば、キリスト教という”宗教”の全貌が分かる筈なのである。という訳で私はアインシュタインが分かりたいのである。

(橋本治「相対性理論はなぜ難しいのか」『デビッド100コラム』冬樹社)


| 大森日記 | 00:01 | comments(2) | -
コメント
「インターステラー」という映画は、ブラックホールや時間のパラドックスといった「アインシュタインの宇宙」を映像化していましたが、韓国では社会現象になったそうです。
案外、韓国はキリスト教徒が多数派なのと結びつけられるのかも…

私は「インターステラー」(を通じて見たアインシュタインの宇宙)からは、「未知の世界は寒くない、経験に値することが沢山ある」という思想を感じました。
| hy | 2015/03/08 8:56 PM |
アインシュタインの宇宙に登場する「ブラックホール」や「暗黒物質」といったものは、

「反自然的かつ反人工的で、人を導くもの」

といった印象があります。
一般的に「自然」の反対は「人工」という印象がありますが、ブラックホールはそのどちらにも属さないものではないかと。
「インターステラー」はまさにそういったものに人類が導かれる話でした。

余談ですが、アインシュタインのヘアスタイルも「自然」と「人工」のどちらでもない !? 感じがします。
| hy | 2015/07/27 1:28 PM |
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